
本記事のポイント
- 1多国籍企業のインド拠点GCCが2025/26年度に純増約20万人を採用し、IT サービス企業の約11万人を上回った。
- 2GCCの求人数は2026年8月に約1万7000件と、3月の1万9000件から緩やかに減少しつつも高水準を維持している。
- 32026年の想定昇給率はGCCが約9.3%、従来型IT サービス企業が6.6%と、GCC側の待遇改善ペースが上回っている。
ニュースの背景
インドのIT業界では人工知能の普及で従来型の職務が代替され、大規模な人材のスキル転換が求められている。従来型IT サービス企業が採用と人員削減を繰り返す一方、多国籍企業のオフショア拠点であるGCCは単純な後方支援業務から高度分析や製品開発、AI研究、経営戦略の一部を担う存在へと役割を拡大しており、雇用吸収力が注目されるようになった。
日本企業への影響
インドにGCCや開発拠点を持つ、または設立を検討する日本企業にとって、現地の人材獲得競争がIT サービス企業だけでなくGCC同士でも激化している状況は採用計画や賃金設計に関わる。想定昇給率がGCCで6.6%台のIT サービス企業より高い9.3%程度とされる点は、拠点運営コストの見積もりや人材引き留め策の検討材料になり得る。
この記事の概要
インドのIT業界で雇用構造の転換が進んでいる。人工知能の普及により従来型の職務が代替される一方、多国籍企業のオフショア拠点であるGCC(グローバル・キャパビリティ・センター)が新たな雇用の受け皿として存在感を増している。TeamLease DigitalのCEOニーティ・シャルマ氏によると、2025/26年度(FY26)にGCC全体で純増した従業員数は約20万人に達し、IT サービス企業の約11万人を上回った。
人材紹介大手Xphenoの分析でも、過去3会計年度でGCC群の純増人数がIT サービス群を上回り、インドのテック人材全体に占める比率は24%から25%へとわずかに上昇した。同社共同創業者カマル・カラント氏によれば、2026年8月時点でGCCの求人数は約1万7000件で、7月の1万8000件から減少したものの、3月に記録した1万9000件をピークに直近4カ月は1万7000〜1万8000件の範囲で安定している。人材大手Aonのアヌラダ・モハンティ氏は、GCCと従来型IT企業が同じ市場環境に直面しながら異なる人材戦略をとっている点が現在の市場を特徴づけていると指摘する。
Aonの最新の昇給調査では、2026年のGCCの想定昇給率は約9.3%で、IT サービス企業の6.6%を上回った。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
GCC(Global Capability Centre(グローバル・キャパビリティ・センター))
多国籍企業がインドなどに設置する専門オフショア拠点で、後方支援業務にとどまらず分析・製品開発・AI研究など高度業務まで担うようになっている。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


