
この記事の概要
インドの食品インフレのデータを見ていて、思わず目が止まった数字がありました。
タマネギの価格上昇率、前年比108.09%。
2026年9月のインド政府統計によると、タマネギの価格は前年同月に比べて2倍以上になっていました。
タマネギは、インドの食卓でおなじみの食材です。カレーや炒め物など、さまざまな料理に使われています。そんな身近な食材の価格が2倍以上になる。家計への影響を考えると、見過ごせない数字です。
でも、少し立ち止まって見てみると、少し違う景色が見えてきます。
タマネギの価格上昇率108.09%と聞くと、インド全体で物価が急激に上がっているように感じます。でも、食品全体のインフレ率は7.74%。同じ9月の統計では、ジャガイモは前年より11.50%、トマトは8.62%安くなっていました。
タマネギのような農作物は、収穫時期や天候、供給量によって価格が大きく変動します。インド政府も、タマネギの価格変動には季節性や供給の変化が大きく関係すると説明しています。
つまり、今回のタマネギの値上がりは、物価全体が同じ割合で上がっているという話ではありません。
インドでは、タマネギの価格高騰が選挙の争点になり、政治にも影響を与えてきました。1980年の総選挙や1998年のデリー州議会選挙では、タマネギの価格が政治的に大きな注目を集めました。
それほど、タマネギはインドの人々の暮らしに深く結びついた食材です。 だからこそ、前年比108%という数字も、単なる野菜の値上がりでは終わりません。
ひとつの食材の価格が、家計だけでなく、政治への評価にもつながる。 タマネギの価格を追うと、インドの食卓と経済、そして政治までがつながって見えてきます。
この記事の執筆者
ライター/Hiroko
海外在住。東南アジアへの旅好きが高じてアジアのビジネス動向を追うようになる。インドのビジネス情報や最新トレンドをわかりやすくお届けします。


