
本記事のポイント
- 1ブレント原油が1バレル100ドルを超え、国営石油3社のガソリン・ディーゼル販売損失が再び拡大している。
- 2小売価格は3カ月以上据え置かれたままで、企業側が国際価格上昇分を十分に転嫁できていない状況が続く。
- 3インドは原油の88%超を輸入に頼っており、価格上昇は貿易収支や物価、為替相場に波及しうる構造だ。
日本企業への影響
現時点で公表されている情報からは、日本企業への直接的な影響は確認できません。ただし原油高が続けば物流・製造コストや現地でのエネルギーコスト全般に間接的な影響が及ぶ可能性があり、インド進出企業は燃料価格動向や国営石油会社の価格転嫁の行方を注視する必要がある。
この記事の概要
西アジア情勢の緊迫化を受け、国際原油価格が急騰している。指標となるブレント原油は9日に1バレル100ドルを突破し、約1カ月半ぶりの高値をつけた。これに伴い、インド国営の石油元売り3社であるインディアン・オイル、バーラト・ペトロリアム、ヒンドゥスタン・ペトロリアムは、ガソリン販売で1リットル当たり約5ルピー、ディーゼル販売で20ルピー超の損失を抱えていると業界関係者はみている。
3社はガソリン・ディーゼル・LPGの国際価格上昇分を消費者価格に十分転嫁できておらず、4〜6月期には合計で1800億ルピーを超える純損失を計上した。小売価格は5月に4回に分けてガソリンで1リットル当たり7.35ルピー、ディーゼルで7.53ルピー引き上げられて以降、3カ月以上据え置かれたままだ。格付け会社ICRAのプラシャント・ヴァシシュト氏は、9月の平均価格ではガソリンのマージンがマイナス5ルピー、ディーゼルがマイナス23ルピー、家庭用LPGの逆ざやは1本当たり200ルピーに達していると指摘する。
インドは世界第3位の原油消費国で、必要量の88%超を輸入に依存しており、原油価格の上昇は貿易収支や物価、ルピー相場に影響を及ぼす構造にある。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
OMC(Oil Marketing Companies(石油元売り会社))
インドで石油製品の精製・流通・小売を担う国営企業群を指し、インディアン・オイル、バーラト・ペトロリアム、ヒンドゥスタン・ペトロリアムなどが含まれる。
インド原油バスケット(Indian crude basket)
インドが輸入する原油の価格水準を示す代表的な指標で、国内の燃料価格政策や損益分析の基準として用いられる。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


