
本記事のポイント
- 1GST税率引き下げにより小型車の価格負担が軽くなり、2年連続で落ち込んでいた販売がFY26に前年比3.2%増へ転じた。
- 2マルチ・スズキでは初回購入者の比率が44%から54%へ上昇し、二輪車から四輪車への乗り換え需要が戻りつつある。
- 3GST18%適用車の販売は約30%増と、40%適用車の約22%増を上回り、低価格帯需要の回復がより顕著になっている。
日本企業への影響
マルチ・スズキ・インディアが小型車販売の回復を主導しており、主力モデルの価格をGST改定後も据え置いたことが初回購入者の増加につながったと説明している。ヒュンダイも新型i10投入を計画しており、インドで小型車を展開する日系メーカーにとって、価格戦略と新型車投入のタイミングが競争力を左右する局面になっている。
この記事の概要
インドの小型車市場が、2年続いた販売減少から回復の兆しを見せている。物品サービス税(GST)の税率引き下げにより、市場の裾野を支える買い手にとって価格の壁が下がったことが背景にある。業界団体SIAMのデータによると、小型車販売はFY24に145万台へ11.4%減少し、FY25にはさらに11.7%減って128万台まで落ち込んだ。
しかしFY26は132万台へ回復し、前年比3.2%増となった。今会計年度の最初の5カ月間では、小型車の販売台数が前年比27%増の59万台に達している。マルチ・スズキ・インディアのマーケティング・営業担当シニアエグゼクティブオフィサーであるパルソ・バナジー氏は、小型車の販売が今年58%伸び、初回購入者の比率が44%から54%まで上昇し、FY19並みの水準に戻ったと説明する。
同社は主力小型車モデルの価格をGST改定後も据え置いており、これが販売台数と初回購入者比率の伸びにつながったという。GST率18%の車両の販売は約30%の伸びを示し、40%適用車の約22%増を上回っている。マルチ・スズキは新機能を加えたバレーノを発表したほか、ワゴンRは月間約2万1000台を売り続けている。
ヒュンダイも新型i10の投入を計画しているとされる。四輪車の普及率は人口1000人あたり34台にとどまる。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
GST(Goods and Services Tax(物品サービス税))
インドで導入されている間接税制度で、商品やサービスに対して課される税率区分があり、税率区分の見直しが自動車の実質価格に影響する。
SIAM(Society of Indian Automobile Manufacturers)
インドの自動車メーカーによる業界団体で、販売台数などの統計データを集計・公表している。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


