
本記事のポイント
- 16250億ルピー規模の新スキーム導入で、政府は2027年半ばまでに強力な純国産携帯ブランドの誕生を目指すと表明した。
- 2スマートフォンは2025/26年度に石油製品や宝飾品を抜き輸出品目単体で首位となり、2014年時点は上位100品目にも入らなかった。
- 3アップル、サムスン、モトローラの輸出けん引で2021〜2025年の輸出台数は年平均27%成長し、フォックスコンやタタが製造を担った。
ニュースの背景
2020年に導入されたPLI(生産連動優遇策)は「自立したインド」政策の柱として携帯電話製造を後押しした。従来インドは組立拠点にとどまっていたが、PLIにより輸出向け高付加価値生産が拡大し、国内使用携帯電話の99.2%が国産化された。この実績を踏まえ、より深い分野で国産ブランド育成を狙う新スキームが導入された。
日本企業への影響
現時点で公表されている情報からは、日本企業への直接的な影響は確認できない。ただしインドが組立から設計・部品・研究開発まで含む垂直統合型の製造拠点化を進める方針は、電子部品や製造装置分野で取引関係を持つ日系サプライヤーの事業環境に間接的に関わる可能性がある。
この記事の概要
インド政府が2020年に導入した生産連動優遇策(PLIスキーム)は、携帯電話製造分野で最大の成功例とされる。この流れを次の段階に進めるべく、政府は6250億ルピー規模の携帯電話製造スキーム(MPMS)を打ち出した。狙いは設計・研究開発から部品・組立まで国内で完結する「純インド製」スマートフォンブランドの育成だ。
電子情報技術相アシュウィニ・ヴァイシュナウは、2027年半ばまでに強力な国産携帯ブランドが誕生すると期待を示している。PLIスキームの成果は数字にも表れている。スマートフォンは2025/26年度、石油製品や宝飾品を抜いてインドの輸出品目単体で首位となった。
2014年時点では輸出上位100品目にすら入っていなかった。現在インドは台数ベースで世界2位の携帯電話製造国となり、国内で使われる携帯電話の99.2%が国産だ。カウンターポイント・リサーチのプラチール・シン氏は、PLIが単なる組立国から高付加価値輸出拠点への転換を後押ししたと指摘する。
国内勢ではディクソンが2025年に首位メーカーとなり、輸出面ではアップル、サムスン、モトローラがけん引し2021〜2025年の輸出台数は年平均27%で伸びた。製造面ではフォックスコンやタタもPLIの恩恵を受けた企業として名を連ねる。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
PLIスキーム(Production Linked Incentive Scheme)
2020年に導入されたインド政府の生産連動型優遇策。国内での生産量や投資に応じて企業に補助金を支給し、製造業の国内定着を促す制度。
MPMS(Mobile Phone Manufacturing Scheme)
6250億ルピー規模で導入された携帯電話製造分野の新スキーム。設計・研究開発から部品・組立まで国内完結型のブランド育成を目指す。
Atmanirbhar Bharat
「自立したインド」を意味するインド政府の経済政策方針で、国内製造業の強化と輸入代替を掲げる。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


