
本記事のポイント
- 1貯水池や運河、工業用池を使う水上太陽光発電に総額507億ルピーの新支援制度が承認され、用地取得なしで太陽光容量を拡大できる。
- 2全事業に2時間以上の蓄電設備併設が必須となり、5,000MW全体で1万MWhの蓄電容量を確保し、電力ピーク需要への対応力強化を狙う。
- 3潜在量はマハラシュトラ州やマディヤ・プラデシュ州など従来の太陽光先進州以外に多く分布し、新たな設備投資先が広がる可能性がある。
ニュースの背景
インドでは太陽光発電の拡大に伴い、用地確保が課題となっていた。新再生可能エネルギー省(MNRE)は6月、国立太陽エネルギー研究所(NISE)の評価を踏まえ、貯水池など水域を活用した水上太陽光や農業用太陽光への専用支援策を財務省と協議中と説明していた。今回の内閣承認はその具体化で、水上太陽光の潜在量は約102.18GWpとされ、現行容量約700MWからの大幅拡大を目指す制度として位置づけられている。
日本企業への影響
今回の制度は水上太陽光プラットフォームや太陽電池モジュール、蓄電システムなど関連機器の生産拡大も想定しており、こうした分野で技術・部材を持つ日本企業にも入札参加や部材供給の機会が生じ得る。事業は関税ベースの競争入札で選定されるため、進出済み・検討中の日系電力・重電・商社系企業は入札制度の詳細や州政府との協力条件を確認する価値がある。現時点で日本企業への直接的な影響を示す具体的言及は資料にはない。
この記事の概要
インド連邦内閣は7月31日、貯水池などを活用した水上太陽光発電を推進する「プラダン・マントリ・スーリヤ・サロヴァル・ヨジャナ(PM-SSY)」を承認した。総事業費は507億ルピー。蓄電設備を併設した水上太陽光発電(FSPV)を計5,000MW整備する計画で、2026/27年度(FY27)から2030/31年度にかけて事業を認可し、財政支援は2032/33年度まで続く。
情報放送大臣アシュウィニ・ヴァイシュナウ氏は、事業者選定は関税ベースの競争入札方式で行うと説明した。用地取得が不要な点が特徴で、既存の貯水池・運河・工業用池を利用する。パネル設置により水面からの蒸発を抑える効果も見込む。
国立太陽エネルギー研究所(NISE)の評価によると、インド全体の水上太陽光潜在量は約102.18GWpで、マハラシュトラ州(16.28GWp)、マディヤ・プラデシュ州(14.89GWp)、カルナタカ州(13.69GWp)、オディシャ州(12.81GWp)、テランガナ州(10.72GWp)が上位を占め、日照量ではなく貯水池の分布が潜在量を左右している。現在のインドの水上太陽光容量は約700MWで、今回の計画はこれを大幅に拡大する。中央政府は稼働後の適格事業に1MWあたり1,000万ルピーの中央財政支援(CFA)を提供し、これが総額507億ルピーのうち500億ルピーを占める。
加えて水底測量や水文調査、環境評価などの事業化調査には1事業あたり最大500万ルピーの支援も用意する。ヴァイシュナウ氏は州政府に資金負担を求めないと述べた。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
PM-SSY(Pradhan Mantri Surya Sarovar Yojana)
インド連邦内閣が承認した、貯水池等での水上太陽光発電と蓄電設備の整備を支援する総額507億ルピーの制度。
NISE(National Institute of Solar Energy)
インドの国立太陽エネルギー研究所。水上太陽光の潜在量評価などを実施し、政府の政策策定を支える機関。
CFA(Central Financial Assistance)
中央政府が適格な水上太陽光事業に対し、稼働後にMWあたり一定額を支給する財政支援制度。
MNRE(Ministry of New and Renewable Energy)
インドの新再生可能エネルギー省。太陽光や再生可能エネルギー政策の企画・推進を担う中央政府機関。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


