
本記事のポイント
- 1インドの太陽電池セル製造能力は現在約32GWにとどまり、200GWを超えるモジュール製造能力との差が国産セル不足の一因となっている。
- 2国産セル使用を義務付けるALMMリストIIの導入により、屋根置き太陽光など国産セルが必須の案件で供給不足が顕在化した。
- 3Avaada Groupは自社セル生産能力を6GWへ、Vikram SolarはFY27末までに国内セル生産能力9GWの稼働を目指すと表明した。
ニュースの背景
インドでは太陽光パネル(モジュール)の国内製造能力が200GWを超える一方、パネルの部材となる太陽電池セルの国内製造能力は約32GWにとどまっていた。政府が国産セルの使用を義務付ける承認製造業者リストの第2弾(ALMMリストII)を導入したことで、屋根置き型など国産セル使用が求められる案件を中心に需給のミスマッチが表面化し、業界内でセル不足への懸念が高まった。
日本企業への影響
太陽光関連部材や製造装置をインドに供給する日本企業にとって、現地セルメーカーの増産計画や国産化要件の強化は取引先選定や納入仕様に影響し得る。インドで太陽光発電事業や関連調達を行う日系企業は、ALMMリストIIの適用範囲やセル調達先の稼働状況を確認しておく必要がある。現時点で公表されている情報からは、日本企業への具体的な直接的影響は確認できない。
この記事の概要
インド国内で太陽光発電用セルの供給不足が表面化している。政府が国産セルの使用を義務付ける承認製造業者リストの第2弾、いわゆるALMMリストIIを導入したことで、屋根置き型など国産セル使用が求められる案件を中心に需給のミスマッチが顕在化した。現在インドの太陽電池セル製造能力は約32GWにとどまる一方、モジュール(パネル)製造能力はすでに200GWを超えており、両者の差が不足感を強めている。
ただ業界関係者は、このギャップは長続きしないとみる。Avaada Groupのビニート・ミッタル会長は、今年中にも追加のセル生産能力が稼働・登録される見通しであり、需給の不一致は市場が国産化要件に適応する過程での一時的な現象にすぎないと述べた。同社は自社のセル生産能力を6GWまで拡大し、ハーフカットセルを国内のモジュールメーカー向けに供給する計画だ。
Vikram Solarのギャネーシュ・チョウダリー会長兼マネージングディレクターも、2026/27年度(FY27)末までに国内セル生産能力9GWの稼働を目指していると明かした。インド全体のセル製造能力は2027年12月までに約100GWへ拡大する見通しで、ALMM登録済みのモジュール製造能力もすでに約217GWに達している。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
ALMMリストII(Approved List of Models and Manufacturers List-II)
インド政府が太陽電池セルについて定めた承認製造業者・モデルのリストで、屋根置きなど一定案件で国産セルの使用を求める制度。
Aatmanirbhar
「自立」を意味するヒンディー語で、インドが重要部材の国内生産・自給自足を強化する政策文脈で使われる表現。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


