
本記事のポイント
- 1ポリシリコンは太陽光パネルの原材料で、インドは現在この物資を全量輸入に依存している状況だ。
- 2政府はポリシリコン製造を独立産業として扱う検討を進めており、既存PLIの上流工程の遅れを補う狙いがある。
- 3インドの太陽電池生産能力は約32ギガワットから1年以内に100ギガワット超へ3倍以上に拡大する見通しが示された。
ニュースの背景
インドは太陽光モジュール製造のPLIを通じ、上流のポリシリコン・インゴット・ウェーハから下流の太陽電池・モジュールまでの国内サプライチェーン構築を進めてきた。しかし上流工程の進展は下流に比べて遅れており、ポリシリコンは依然として全量輸入に頼る状況が続いていた。今回、化学・精製プロセスとしての性質を踏まえ、独立産業として支援する新たな仕組みが検討されている。
日本企業への影響
太陽光関連の部材調達やサプライチェーン構築を検討する日本企業にとって、インド国内でのポリシリコン製造育成策は原材料の現地調達や価格動向に関わる可能性がある。また高純度ポリシリコンは半導体産業でも使われるとされ、半導体関連の投資を検討する企業にも間接的な関心事項となり得る。現時点で日本企業を対象とした具体的な優遇策や制度内容は明らかになっていない。
この記事の概要
インド政府が太陽光発電の原材料であるポリシリコンの国内製造を促す生産連動型優遇策(PLI)の準備を進めている。新再生可能エネルギー省(MNRE)のサントシュ・クマール・サランギ長官が、インド産業連合(CII)主催の第7回国際エネルギー会議で明らかにした。ポリシリコンは太陽光パネルの上流工程にあたる原材料で、インドは現在、全量を輸入に依存している。
既存の太陽光モジュール向けPLIはインゴット・ウェーハ・ポリシリコンといった上流工程と、太陽電池・モジュールの下流工程を対象にしているが、上流工程の進展は遅れているという。政府はポリシリコン製造を太陽光産業の一部としてではなく、化学・精製プロセスを伴う独立した産業として扱う方向で検討している。高純度化されたポリシリコンは半導体産業でも利用可能だという。
サランギ長官はまた、インド国内の太陽電池生産能力が現在の約32ギガワットから1年以内に100ギガワット超へ3倍以上に拡大する見通しを示した。再生可能エネルギーの調達コストについても言及し、90%の電力供給保証と日中50%太陽光という条件のRE-RTC入札で1単位5.25ルピーの価格が決まり、原子力並みの水準になったと説明した。安価な再生可能エネルギーの導入拡大により、DISCOM(配電会社)の平均電力調達コストは1単位5.20ルピー程度から4.85ルピー程度まで下がる可能性があるという。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
PLI(Production-Linked Incentive Scheme(生産連動型優遇策))
生産量や売上の増加に応じて政府が企業に補助金を支給する制度で、太陽光モジュールなど国内製造業の育成に用いられている。
RE-RTC(Round-the-Clock Renewable Energy(終日再生可能エネルギー))
各時間帯で90%の電力供給保証を課しつつ、日中は50%を太陽光で供給するなど、太陽光・風力・蓄電池等を組み合わせて安定的に電力を供給する調達方式。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


