
本記事のポイント
- 1燃料高によるインフレ上振れはコスト転嫁や価格戦略の見直しを促すため、現地の価格柔軟性を高めよ。
- 2PLIなどの支援策を活用し工場やサプライチェーンの現地化を進めれば成長恩恵を取り込める。
- 3AIでグローバル業務の採用が鈍化する中、技能転換や現地での再教育投資が競争優位を左右する。
この記事の概要
インド経済は成長とインフレの綱引きにある。格付け機関の見通しでは、2026/27会計年度の実質GDP成長率が約6.6%に達する可能性が示される一方、物価上昇は年間平均で約5.1%と予測されている。最近の燃料価格の上昇は短期的にインフレを押し上げ、景気の勢いと物価圧力が同時に強まる「スタグフレーション」リスクが指摘されている。
政策運営は成長維持と物価抑制のバランスを迫られる局面だ。 一方で構造改革の一環として進められてきた生産連動型支援策(PLI)をめぐり、スタートアップや製造関連企業の関心が高まっている。資金調達環境は引き続き活発で、2026年に入っても大型の資金調達や新ラウンドが報告されていることから、製造・ハードウエアや深い技術領域を志向する新興企業の投資が続いていることがうかがえる。
ただし、働き方の変化も見逃せない。企業内のグローバルセンターでは人工知能(AI)の導入が進み、一部で採用ペースが鈍化している。AIによる業務再設計は短期的には採用需要を抑える一方、中長期的には高度人材や再スキル取得の需要を生み出す可能性が高い。
日本企業はインド市場での投資拡大機会と人材戦略の見直しを同時に考慮する必要がある。
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