
本記事のポイント
- 1NSEがIPO申請を進めているという事実は、インド資本市場の制度的成熟が次の段階に入ったことを意味する。インド現地法人の上場や現地パートナーとの合弁における資本調達を検討している日本企業にとっては、NSE上場後に整備が加速するとみられる引受・清算インフラの変化を早期に把握し、資本調達計画の前提条件として組み込めるかを今から確認しておくことが求められる。
この記事の概要
インドの株式市場インフラを担う国立証券取引所(NSE)が、非上場企業の中で最大の企業価値を持つ地位を2025年も維持した。バーガンディ・プライベート・フラン・インド500レポートが示す数値によれば、NSEの企業価値は4.86ラク・クロール(約4.86兆ルピー、約8.3兆円)に達しており、2位以下を大きく引き離している。 NSEに続く上位には、新型コロナウイルスワクチンの世界最大サプライヤーとして知られるセラム・インスティテュート・オブ・インディアと、アダニ・グループの不動産事業部門であるアダニ・プロパティーズが名を連ねる。
両社はいずれも非上場のまま高い企業価値を維持し続けている。 NSEはIPO(新規株式公開)に向けた申請手続きを進めており、上場が実現すれば市場に大きな変化をもたらすとみられている。非上場企業の最高位に位置しながら、インド証券市場の中核インフラそのものでもあるという独自の立ち位置が改めて注目を集めている。
インド企業全体の企業価値合計は拡大を続けているものの、対象となった上位企業群の合計はわずかに低下しており、価値増大が一部の銘柄に集中している構図が浮かび上がる。 上場企業の中では、石油化学・通信・小売など幅広い事業を抱えるリライアンス・インダストリーズが企業価値首位を維持している。企業価値の創出率という観点ではバジャジ・ファイナンスがトップに立ち、金融セクターの成長ダイナミズムを改めて示す結果となった。
非上場・上場を問わず大型企業の存在感が増す中、NSEのようにマーケット・インフラを担いながらも上場していない企業が突出した評価を受けるという構造は、インド資本市場の発展段階を象徴している。
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