
本記事のポイント
- 1EYはFY27のインド実質GDP成長率を7〜7.2%、名目成長率を12.5〜13%と予測し、堅調さを見込む。
- 2鉱工業生産は2026年6月に前年比7.3%増と23カ月ぶりの高い伸びとなり、製造業が7.8%増と牽引した。
- 3政府の資本支出は第1四半期に23.7%増と急回復した一方、卸売物価は9.8%まで上昇しインフレ圧力が残る。
ニュースの背景
インドは前年度末にかけて政府の資本支出が23.3%減少するなど成長の勢いに陰りが見られていた。EYは今回の報告で、直近のIIPや銀行貸出の急伸、資本支出の急回復といった指標を踏まえ、FY27の成長見通しを示した。あわせてPMIの鈍化や卸売物価の上昇、経常赤字拡大の懸念など、成長を巡るリスク要因も併せて指摘している。
日本企業への影響
自動車や電気機器、繊維など製造業セグメントの生産拡大は、インドに生産・調達拠点を持つ日本企業の事業環境にとって前向きな材料となり得る。一方で卸売物価の上昇や原油高、経常赤字拡大の可能性は、コスト管理や為替動向を注視する必要がある要因として留意される。政府の資本支出動向は、インフラ関連や部品サプライヤーの需要見通しにも関わる。
この記事の概要
会計コンサルティング大手のEYは最新報告で、インドの2026/27年度(FY27)の実質GDP成長率を7〜7.2%、名目GDP成長率を12.5〜13%と予測した。地政学的不確実性や原油高、世界貿易環境の悪化といった逆風はあるものの、堅調な国内需要と政府による資本支出が成長を下支えするとみている。鉱工業生産指数(IIP)は2026年6月に前年比7.3%増と23カ月ぶりの高い伸びを記録し、FY27第1四半期の鉱工業成長率は平均5.7%と8四半期ぶりの高水準となった。
製造業の生産は7.8%増加し、電気機器や自動車、繊維、食品が好調だった。一方でPMIは製造業が7月に53.5(6月54.2)、サービス業が53.3(同57.4)へ低下し、拡大ペースの鈍化も示唆する。銀行貸出は6月に18.6%増と25カ月ぶりの高い伸びとなった。
政府の資本支出は第1四半期に23.7%増と、前四半期の23.3%減から急回復した。消費者物価上昇率は7月に4.4%、卸売物価は9.8%まで上昇しており、インフレが引き続きリスク要因となっている。 背景として、政策運用や現地実務の差分が最終的な収益性に影響しやすいため、一次情報の確認だけでなく、現場ヒアリングを含めた検証が重要です。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
IIP(Index of Industrial Production(鉱工業生産指数))
インドの鉱工業部門の生産動向を示す指標で、製造業・電力・鉱業などの生産活動の前年比変化を測定する。
WPI(Wholesale Price Index(卸売物価指数))
インドで卸売段階の価格変動を測定する物価指標で、鉱物油や食品、金属などの品目別動向が反映される。
PMI(Purchasing Managers' Index(購買担当者景気指数))
製造業やサービス業の企業活動の拡大・縮小を示す指標で、50を上回れば拡大、下回れば縮小を意味する。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


