
本記事のポイント
- 1ガソリン・軽油の精製販売マージンはQ2FY27に1リットルあたり11.4ルピーへ急回復する見通しで、前四半期比で大幅改善となる。
- 2家庭用LPG販売の損失は約1,100億ルピーに縮小する見込みだが、なお燃料マージンを押し下げ、実質利益は8.5ルピーにとどまる。
- 3原油高や物品税減税撤回のシナリオでは、元売りが正常収益を得るために必要な原油価格水準が従来の想定より上振れしている。
ニュースの背景
インドの石油元売り各社は政府の価格・税制の枠組みの下でガソリンや軽油を販売する一方、家庭用LPGは政策的に低価格で供給しており、その差額が損失として計上されてきた。前四半期はLPG損失が2,120億ルピーに達し、燃料マージンの改善効果を大きく相殺していた。今回の分析は次四半期の収益動向を見通したものだ。
日本企業への影響
現時点で公表されている情報からは、日本企業への直接的な影響は確認できない。ただしインドのエネルギー価格・原油調達コストの動向は、現地で製造・物流事業を展開する日系企業のコスト構造や燃料調達計画に間接的に関わり得るため、原油価格や政府の燃料税政策の変化は注視material材料となる。
この記事の概要
JM Financial Institutional Securitiesの分析によると、インドの石油元売り各社は2026/27年度第2四半期(Q2FY27)にガソリン・軽油の精製販売マージンが1リットルあたり11.4ルピーまで回復する見通しだ。前四半期の2.4ルピーから大幅な改善となる。ただし家庭用LPG販売の損失を差し引くと、実質的なマージンは8.5ルピーにとどまるという。
LPG販売による損失額はQ2FY27で約1,100億ルピーと見込まれ、前四半期の2,120億ルピーからは縮小するものの、なおガソリン・軽油マージンの押し下げ要因として1リットルあたり2.9ルピー分の影響を与えるとみられる。中東やロシアでの製油所稼働の混乱、アジア圏の一部製油所の操業低下により世界の製油所処理量は前年から日量400万〜500万バレル程度減少しており、製品市況の逼迫が精製マージンを支えている。シンガポール精製マージンはQ2FY27で平均1バレルあたり20.5ドル、軽油マージンは61.7ドルだった。
ブレント原油が1バレル95ドル前後であれば通常水準のマージンを確保できるが、政府が物品税減税を完全撤回し小売価格を引き上げる場合、正常化には原油価格が65ドル程度まで下落する必要があるとした。中東情勢の緊迫化前の想定は70ドルで、ルピー安と輸送コスト上昇がその差の要因という。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
クラック・マージン(Refining Crack Margin)
原油を精製して得られるガソリンや軽油などの製品価格と原油価格との差額で、製油所の収益性を示す指標。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


