
本記事のポイント
- 1米国のロシア・イラン制裁法は、ロシア産エネルギーを購入する国に最大100%の関税を科せる仕組みを含むがインドへの自動適用ではない。
- 2適用にはトランプ大統領による発動判断が必要で、インドは対米関係の中でこの法律の影響を見極める段階にある。
- 3外務次官とニューヨークでの米高官協議では半導体・重要鉱物・原子力協力など経済安全保障分野の連携も並行して議論された。
日本企業への影響
SRIAが定める対ロシア関税措置がインド向け輸入品に発動された場合、インドを生産・輸出拠点とする日本企業のサプライチェーンやコスト構造に間接的な影響が及ぶ可能性がある。また半導体・重要鉱物分野での米印協力の進展は、同分野に関わる日本企業の競争環境にも波及しうるため、今後の協議の行方を注視する価値がある。
この記事の概要
インドのビクラム・ミスリ外務次官は、下院外交委員会委員長ブライアン・マスト議員が率いる超党派の米議会代表団と会談した。会談では、米国で最近成立した「ロシア・イラン制裁法(SRIA)」に加え、インドと米国の戦略関係、エネルギー安全保障、対テロ協力、航行の自由など、両国関係全般が議題となったと外務省報道官のランディール・ジャイスワル氏が明らかにした。 SRIAは、ロシアの石油・軍需部門、政府当局者、金融機関、さらには対ロシア制裁の回避に関与した船舶などを対象に、制裁の拡大や輸入関税、貿易制限を科すための法的枠組みを定めたもので、イラン関連の経済措置も含む。
インドにとって焦点となるのは、ロシア産エネルギーの購入を続ける国からの輸入品に対し、米国が最大100%の関税を課せる仕組みが盛り込まれている点だ。ただしこの関税は自動発動ではなく、法律が定める条件を満たした上で、トランプ大統領が発動を判断する仕組みとなっている。 この会談に先立ち、ミスリ氏は国連総会に合わせてニューヨークを訪れ、米国務次官(経済問題担当)のジェイコブ・ヘルバーグ氏とも会い、半導体や重要鉱物、新興技術分野での協力拡大について意見を交わしていた。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
SRIA(Sanctioning Russia and Iran Act(ロシア・イラン制裁法))
米国で成立した法律で、ロシアの石油・軍需部門や関連金融機関・船舶への制裁拡大、ロシア産エネルギーを購入する国への最大100%関税の発動権限などを定める法的枠組み。
MEA(Ministry of External Affairs(インド外務省))
インドの外交政策を所管する政府省庁で、本記事では報道官ランディール・ジャイスワル氏が会談内容を説明した。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


