
本記事のポイント
- 1RBIは政策金利5.25%を据え置き、企業の借入コストは当面現状水準で推移する見通しとなった。
- 22026/27年度のGDP成長率予測が6.6%から6.7%に上方修正され、建設・資本財・銀行与信を中心とした内需の堅調さが確認された。
- 3食品・燃料価格上昇で物価上昇率は第3四半期に5.9%へ一時的に加速するが、年末にかけて落ち着くとRBIは見込む。
日本企業への影響
政策金利が据え置かれたことで、インドに進出する日本企業の資金調達コストは急激な変動を避けられる可能性がある。建設・資本財・銀行与信を中心に投資活動が堅調と評価されており、内需関連事業を展開する日系企業には追い風となり得る。一方、食品・燃料価格の上昇が物価全体を押し上げているため、原材料コストや現地従業員の実質購買力への影響を注視する必要がある。
この記事の概要
インド準備銀行(RBI)は8月5日、2026/27年度(FY27)の実質GDP成長率見通しを6.7%とし、消費者物価上昇率を5.0%と予測した。8月3日から5日にかけて開かれた金融政策委員会(MPC)の第62回会合で、政策委員は全会一致でレポレートを5.25%に据え置き、金融政策スタンスも「中立」を維持することを決めた。今回の見通しは、6月時点の予測(GDP成長率6.6%、物価上昇率5.1%)からわずかに上方修正された形だ。
RBIは四半期別のGDP成長率について、第1四半期7.0%、第2四半期6.4%、第3四半期6.5%、第4四半期6.8%と予測し、2027/28年度第1四半期は7.3%になるとみている。物価上昇率は第2四半期4.7%、第3四半期5.9%、第4四半期5.5%と見込み、年間を通じた食品・燃料を除くコア物価上昇率は4.3%とした。サンジャイ・マルホトラ総裁は、6月に4.4%まで上昇した消費者物価は西アジア情勢を背景とした食品・燃料価格の上昇が主因で、需要側の基調的な物価圧力は依然抑制されていると説明した。
RBIは、建設・資本財・銀行与信を中心とした資金需要の堅調さと、旺盛な民間消費が成長を支えているとの見方を示した。外需についても、サービス輸出の強さと財輸出の回復が下支えしているとした一方、エルニーニョ現象による南西モンスーンの不順が農業・農村部の需要を左右するリスクとして残るとしている。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
MPC(Monetary Policy Committee(金融政策委員会))
インド準備銀行内に設置され、政策金利など金融政策の方針を決定する合議体。総裁を含む委員が投票で決定する。
レポレート(Repo Rate)
インド準備銀行が民間銀行に資金を貸し出す際に適用する基準金利で、インドの金融政策の中心的な政策金利。
CPI(Consumer Price Index(消費者物価指数))
家計が購入する財・サービスの価格変動を示す指数で、RBIが物価上昇率の目標管理に用いる主要指標。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


