
本記事のポイント
- 1ゴールドマン・サックスはインド2026年実質GDP成長率を6.8%に上方修正した
- 2原油安でインフレ4.4%・経常赤字GDP比1.1%へ改善し、事業コスト環境が好転している
- 3国際収支の黒字転換予測でインドのカントリーリスクが低下し、投資判断材料となる
この記事の概要
米国とイランの和平合意を受けて原油価格が大幅に下落したことを契機に、ゴールドマン・サックスはインドの2026年暦年マクロ見通しを包括的に上方修正した。 同行が公表したリポートでは、コモディティチームが2026年第3〜第4四半期の原油平均価格予測を従来の1バレル92ドルから82ドルへ引き下げたことを主因として、実質GDP成長率予測を前年比6.8%に0.3ポイント引き上げた。同時に、インフレ率予測は0.2ポイント引き下げて4.4%に、経常収支赤字は対GDP比で0.2ポイント改善の1.1%へとそれぞれ修正している。
中東の地政学的緊張がエネルギー価格を押し上げた局面でも、インド政府が財政・準財政措置を講じてエネルギーコストの消費者への転嫁を抑制したことで、景気の底堅さが維持されたと評価されている。2026年第1四半期は投資の堅調さとサービス部門の活発な活動が景気を下支えし、強め発進となった。 第2〜第3四半期には、それ以前の燃料価格上昇の影響から消費の伸びが鈍化する局面もあるとみられている。
ただし、原油安によってガソリン・軽油の小売価格をさらに引き上げる必要性は大幅に低下しており、第3四半期以降の家計への追加的な圧力は限定的になると同行は判断している。 財政面では、世界的な尿素価格の急落が肥料補助金の膨張リスクを抑制し、原油安と相まって短期的な財政圧力を緩和する効果が見込まれている。外部バランス面でも、原油安に加えて海外送金流入の増加が経常収支の改善を後押しし、2026年の国際収支は黒字に転じると予測された。
エネルギー輸入コストの低減は、製造業・化学・物流など広範な産業コストにも波及する構造的な追い風となりうる。
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