
本記事のポイント
- 1携帯電話メーカーは国内生産の販売額に応じ2.25〜5%の奨励金を得られ、部品の国内調達には最大1.5%の追加支援が用意される。
- 2国産ブランドは製品設計・研究開発への投資に対し最大3%の追加奨励金を受けられ、開発拠点化が進む可能性がある。
- 3制度は2026年度から2030年度の5年間続き、約39兆ルピーの生産額と6万人の直接雇用創出を政府は見込んでいる。
ニュースの背景
インドは「メイク・イン・インディア」政策のもと、大規模電子機器製造向けの生産連動型優遇制度(PLI-LSEM)を導入し、携帯電話の国内生産と輸出を拡大してきた。同制度は3月31日に期限を迎えた。政府はその後継としてMPMSを新たに承認し、国内生産の奨励金支給に加え、部品の国内調達や製品設計・研究開発投資への追加支援を組み込んだ制度とした。
日本企業への影響
携帯電話やその部品・電子部材をインドで製造・供給する日本企業にとって、奨励金の対象条件や国内調達比率の基準を確認する必要がある。スマートフォン関連のサプライチェーンに関わる部品メーカーには間接的な影響が想定される。
この記事の概要
インド連邦内閣はナレンドラ・モディ首相の主導のもと、携帯電話製造振興策「モバイル・フォン・マニュファクチャリング・スキーム(MPMS)」を承認した。予算規模は6250億ルピーで、2026年度から2030年度までの5年間実施する。国内で生産された携帯電話の適格販売額に対し2.25%から5%の差別化された奨励金を支給するほか、主要部品・サブアセンブリの国内調達に応じて最大1.5%の追加支援、国産ブランド育成のための製品設計・研究開発への追加奨励金(最大3%)も用意する。
政府は制度期間中に約39兆ルピー相当の累計生産額を見込み、直接雇用約6万人の創出を掲げている。電子機器製造は2014年度以降7倍に成長し、輸出は11倍に拡大したとされ、インドは生産台数で世界第2位の携帯電話製造国となり、国内で使用される端末の99.2%が国産という。2025年にはスマートフォンがディーゼル燃料やカット・ダイヤモンドを上回り、インド最大の輸出品目となった。
3月31日に期限を迎えた大規模電子機器製造向けの生産連動型優遇制度(PLI-LSEM)の後継として位置づけられている。 背景として、政策運用や現地実務の差分が最終的な収益性に影響しやすいため、一次情報の確認だけでなく、現場ヒアリングを含めた検証が重要です。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
MPMS(Mobile Phone Manufacturing Scheme)
インド政府が承認した携帯電話製造振興策。国内生産・輸出拡大と研究開発投資促進を目的に、2026年度から5年間実施される奨励金制度。
PLI-LSEM(Production Linked Incentive Scheme for Large Scale Electronics Manufacturing)
大規模電子機器製造向けの生産連動型優遇制度で、3月31日に期限を迎え、MPMSに引き継がれた。
メイク・イン・インディア(Make in India)
インド政府が推進する国内製造業振興政策。電子機器製造は2014年度以降7倍に成長し、輸出は11倍に拡大したとされる。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


