
本記事のポイント
- 1HDFC銀行のシャシダール・ジャグディシャンCEOが3期目を求めず、10月26日付で6年間の任期を終えて退任する。
- 2前会長辞任後に発覚した高リスク債券の不正販売問題や大口預金を巡る罰金など、統治面の課題が退任の背景にある。
- 3取締役会は退任前に後任選定を前倒しで進める方針を示し、インド最大手の民間銀行の経営体制が転換点を迎える。
この記事の概要
インド最大手の民間銀行HDFC銀行のシャシダール・ジャグディシャンMD兼CEOが、3期目を求めず10月26日付で退任することを決めた。土曜日に開かれた臨時取締役会でこの意向を伝え、取締役会は翻意を促したものの、同氏は退任の意思を変えなかった。取締役会は書簡で、同氏の指導力とHDFC Ltdとの合併完了への貢献に謝意を示し、後任選定を退任前に前倒しで進める方針を明らかにした。
今回の決断の背景には、前会長アタヌ・チャクラボルティ氏が「価値観と倫理」を理由に辞任した後、破綻したクレディ・スイスの高リスク債券を非居住者向けに販売した際の不正を巡り、幹部を解雇し複数の関係者を処分するなど、統治面での問題が相次いだ事情がある。7月にはジャグディシャン氏とCFOのスリニバサン・ヴァイディヤナタン氏、リテール資産部門トップが、マハラシュトラ州道路開発公社からの大口預金獲得を巡る「業務逸脱」でそれぞれ10万ルピーの罰金を科された。さらに破綻したカーライル・ファンドへの投資を巡り顧客からの批判も強まっていた。
ジャグディシャン氏は2020年の就任直後、インド準備銀行から新規デジタル商品の投入とクレジットカード新規発行を禁じられた経験もある。会長のラジブ・クマール氏は同氏に銀行の「浄化」でより積極的な姿勢を求めていたとされる。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
HDFC Ltd合併(HDFC Bank and HDFC Ltd merger)
住宅金融大手HDFC Ltdとの統合を完了した合併で、インア最大級の企業合併の一つとされる。
インド準備銀行(Reserve Bank of India (RBI))
インドの中央銀行。銀行の業務認可や規制監督を行い、過去にHDFC銀行への新規デジタル商品・カード発行制限を課した。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


