
本記事のポイント
- 1インド政府が系統用蓄電池10GWh分の製造設備新設事業者を国際入札で募集し、応札期限は2026年10月13日である。
- 22021年承認の1810億ルピー規模の国家計画で目標とする50GWhのうち、40GWhは既に国内メーカーへ配分済みだ。
- 3残る10GWhは再生可能エネルギーの系統統合を支える定置型蓄電向けで、海外メーカーにも参入機会が開かれている。
ニュースの背景
インドは2021年5月、先進化学電池(ACC)の国内製造能力を50GWh築くことを目標に、総額1810億ルピーの生産連動型優遇策(PLIスキーム)を連邦内閣で承認した。輸入電池セルへの依存を減らし、国際競争力のある製造基盤を国内に育てる狙いがある。これまでに目標の8割にあたる40GWhが国内メーカーに割り当てられており、残る10GWhの枠について今回、系統用蓄電向けとして新たに国際入札の公告が行われた。
日本企業への影響
系統用蓄電池の製造能力を国際入札で募る施策であり、電池材料・部材・製造装置を手掛ける日本企業にとって、インドでの生産拠点設立や合弁参入を検討する材料となり得る。応札は海外メーカーにも開放されており、入札条件や選定基準の確認が実務上の検討事項となる。
この記事の概要
インド重工業省は、系統用蓄電池「ACC(先進化学電池)」の製造設備を新設する事業者を選定するため、累計容量10ギガワット時(GWh)分の国際入札を公告した。生産連動型優遇策(PLIスキーム)に基づく施策で、選定は中央公共調達ポータル上で実施される二段階の品質・価格評価方式(QCBS)によって進める。入札関連文書は2026年7月15日から公開されており、7月29日に入札前説明会を開催、応札期限は10月13日、技術提案書の開札は10月14日と設定されている。
今回の10GWhは、太陽光や風力など再生可能エネルギー由来の電力を系統規模で蓄える「グリッド・スケール定置型蓄電(GSSS)」用途に充てられる。このACC電池製造を巡る国家プログラムは2021年5月に連邦内閣が承認したもので、総予算額は1810億ルピー。国内に累計50GWhの製造能力を築き、電池セルの輸入依存を減らし、国際競争力のある製造エコシステムを育てることを目標としている。
重工業省によれば、目標50GWhのうち40GWhは既に国内メーカーへ割り当て済みで、残る10GWhが今回新たに公募される枠となる。 背景として、政策運用や現地実務の差分が最終的な収益性に影響しやすいため、一次情報の確認だけでなく、現場ヒアリングを含めた検証が重要です。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
ACC(先進化学電池)(Advanced Chemistry Cell)
リチウムイオン電池などを含む先進的な蓄電池セルの総称で、インド政府がPLIスキームを通じて国内製造を推進している対象品目。
PLIスキーム(Production Linked Incentive Scheme)
インド政府が特定産業の国内製造拡大を目的に導入する生産連動型の優遇策で、ACC電池分野では総額1810億ルピーが充てられている。
QCBS(Quality and Cost Based Selection)
品質面と価格面の両方を評価して事業者を選ぶ二段階の入札選定方式で、今回のACC電池製造事業者選定に採用されている。
GSSS(Grid Scale Stationary Storage)
太陽光・風力など再生可能エネルギーの電力を電力系統規模で蓄えるための定置型蓄電設備を指す用語。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


