
本記事のポイント
- 1バンク・オブ・バローダが6月時点の6.2〜6.4%から6.6〜6.8%へ、FY27のインドGDP成長率予測を40ベーシスポイント上方修正した。
- 2RBIは少なくとも10月まで政策金利を据え置く公算が大きいが、それ以降はデータ次第で利上げに転じる可能性も残るとされた。
- 3製造業は6.5〜7.5%、農業は2.5〜3%の成長が見込まれ、インド事業の需要環境を考える材料となる。
ニュースの背景
2026年6月時点でバンク・オブ・バローダはFY27のインド成長率を6.2〜6.4%と予測し、原油高やエルニーニョによる不作を主なリスクとしていた。今回、西アジア情勢をめぐる戦争の影響が今後も続くとの前提を置きつつ、原油価格の落ち着きやモンスーン改善、IIP・PMIなど早期指標の堅調さを踏まえ予測を上方修正した。IMFやアジア開発銀行が同時期に下方修正した動きとは逆方向の見直しとなった。
日本企業への影響
現時点で公表されている情報からは、日本企業への直接的な影響は確認できない。ただしインドのGDP成長率や政策金利、インフレ見通しはインドに進出済みの日系企業の事業計画や需要予測に関わるマクロ環境指標であり、製造業・農業の成長率予測を含め、今後の動向を継続的に把握する材料になり得る。
この記事の概要
バンク・オブ・バローダは月曜開催のインド経済見通しウェビナーで、2027年度(FY27)のインドGDP成長率予測を6.6〜6.8%に引き上げたと発表した。6月時点の予測6.2〜6.4%から40ベーシスポイントの上方修正となる。同行は原油価格の落ち着きやモンスーン状況の改善、鉱工業生産指数(IIP)やPMIなど経済指標の底堅さを理由に挙げた。
マダン・サブナビス・チーフエコノミストは、西アジア情勢をめぐる戦争の影響が続くとしつつも、原油価格を1バレル75〜85ドルと想定していると説明した。国際通貨基金(IMF)がFY27予測を6.4%、アジア開発銀行が6.6%へ下方修正した動きとは対照的な見直しとなる。FY26の成長率7.7%からは減速するものの、名目GDP成長率はFY27に10〜11%と再び二桁に戻ると見込む。
インド準備銀行(RBI)は少なくとも10月まで政策金利を据え置く可能性が高く、レポ金利は5.25〜5.50%のレンジにとどまると予測した。小売インフレ(CPI)はFY26の2.1%からFY27には5.0〜5.2%へ上昇するが、金融政策委員会の許容範囲内に収まるとみている。製造業成長率は6.5〜7.5%、鉱工業生産は3〜4%程度と予測し、農業成長率もFY27に2.5〜3%へ引き上げた。
経常赤字はFY26の0.6%からFY27には1.8〜2.0%まで拡大すると見込む。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
CPI(Consumer Price Index(消費者物価指数))
インドの小売段階の物価変動を示す指標で、金融政策委員会がインフレ目標の判断材料として用いる。
IIP(Index of Industrial Production(鉱工業生産指数))
インドの鉱工業部門の生産動向を示す指標で、製造業や鉱業などの生産水準の変化を月次で示す。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


