
本記事のポイント
- 1紅海航路の要衝をフーシ派が制圧したとの報道を受け、原油供給懸念からブレント原油が1バレル108ドルを回復した。
- 2米インフレ指標の上振れと米10年債利回り上昇を受け、センセックスは取引開始直後に一時700ポイント超急落した。
- 3取引開始から5分でBSE上場企業の時価総額が約6兆ルピー減少したが、後場には下げ幅の大半を取り戻して引けた。
ニュースの背景
イエメンの親イラン武装勢力フーシ派とサウジアラビア支援勢力の戦闘が激化し、フーシ派が9月10日にイエメンの港湾都市モカを制圧、紅海沿岸へ進軍した。紅海は世界の原油輸送の主要航路であり、ホルムズ海峡でもタンカー攻撃が続いていた。これに米国とイランの緊張激化や米インフレ指標の上振れが重なり、原油価格と米国債利回りが同時に上昇し、世界の株式市場に売り圧力がかかった。
日本企業への影響
原油価格の上昇と紅海・ホルムズ海峡での緊張激化は、インドに進出する日系企業の原材料調達コストや海上輸送ルートに影響し得る事案だ。日経平均も同日のアジア市場で急落しており、地政学リスクが世界的な株式市場と資源価格に波及した構図が確認できる。インド市場での資金調達や現地法人の株価評価に関心を持つ企業は、中東情勢と原油価格、米金利動向を注視する必要がある。
この記事の概要
インド株式市場で9月11日、代表指数のセンセックスとニフティが取引開始直後に急落した。センセックスは一時700ポイント超下落して74,199近辺まで沈み、ニフティも222.55ポイント安の23,255.75まで売られた。背景にあるのは中東情勢の緊迫化だ。
イエメンの親イラン武装勢力フーシ派が10日、港湾都市モカを制圧し紅海沿岸の戦略的な島々に向けて進軍したと伝えられ、原油輸送の要衝である紅海航路への懸念が急速に高まった。ホルムズ海峡でもタンカー攻撃が相次いでおり、原油の指標であるブレント原油は一時1バレル108ドルを回復した。加えて米国のインフレ指標の上振れを受けて米10年債利回りが4.98%まで上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が世界的な株安につながった。
米国ではダウ工業株30種平均とS&P500がそれぞれ0.6%、ナスダック総合指数が0.65%下落。日経平均やコスピ、台湾加権指数もアジア市場で最大3%下落した。もっとも売り一巡後は押し目買いが入り、センセックスは前日比120.83ポイント安の74,781.76、ニフティは79.70ポイント安の23,398.10で取引を終え、下げ幅の大半を取り戻した。
取引開始から5分間で投資家は約6兆ルピーの含み損を抱え、BSE上場企業の時価総額は前営業日の約484兆ルピーから約478兆ルピーへと縮小した。テック・マヒンドラ、HCLテック、インフォシスなど一部銘柄は上昇して推移した。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
センセックス(BSE Sensex)
ボンベイ証券取引所(BSE)に上場する主要30銘柄で構成される株価指数で、インド株式市場の動向を示す代表的な指標。
ニフティ50(NSE Nifty 50)
インド国立証券取引所(NSE)に上場する主要50銘柄で構成される株価指数で、センセックスと並ぶインド株式市場の代表指数。
ブレント原油(Brent Crude)
北海produced原油を基準とする国際的な原油価格の指標銘柄で、世界の原油取引価格の目安として広く用いられる。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


