
本記事のポイント
- 1紅海でのタンカー攻撃を受け、ブレント原油先物(9月渡し)が5月以来3か月ぶりに清算値で1バレル100ドルを回復した。
- 2インドのMCX原油先物も前日比約6%高の1バレル8,887ルピーまで急伸し、国内市場にも波及した。
- 3ゴールドマン・サックスは輸出停滞が続けば年末までに120ドルへ上昇し得ると警告し、調達コストの不透明感が強まっている。
ニュースの背景
紅海周辺では従来からフーシ派とサウジアラビアの緊張が続いていたが、サウジのタンカー2隻への攻撃をフーシ派が認めたことで事態が悪化した。米軍はイランへの空爆を12夜連続で実施し、イランはクウェートとヨルダンの米関連軍事施設を標的に報復した。ブレント原油は4月に126ドルまで上昇後、今月初めには71ドル前後まで下落していたが、今回の攻撃で急反発し、5月15日以来となる100ドル台を回復した。
日本企業への影響
現時点で公表されている情報からは、日本企業への直接的な影響は確認できない。ただし原油価格の急伸と紅海・ホルムズ海峡周辺の緊張激化は、エネルギーを輸入に頼る日本企業全般の調達コストや物流ルートの安定性に間接的に波及し得るため、インドを含む中東関連取引を持つ企業は価格動向を注視する必要がある。
この記事の概要
中東情勢の緊迫化を受け、原油価格が再び1バレル100ドル台に乗せた。イエメンの反政府勢力フーシ派は紅海でサウジアラビアの石油タンカー2隻を攻撃したと表明した。ニューヨーク市場で9月渡しのブレント原油先物は前日比6.16ドル高、率にして約7%上昇し100.23ドルの清算値をつけ、5月15日以来初めて100ドルの節目を超えた。
同じく9月渡しの米WTI原油先物もニューヨーク・マーカンタイル取引所で4.22ドル高の91.05ドルまで上昇した。国内市場でも連動する形で、インドのマルチ・コモディティ取引所(MCX)の8月渡し原油先物は477ルピー高、約6%上昇し1バレル8,887ルピーとなった。トランプ大統領はTruth Socialで、サウジのタンカーへの再攻撃があればイランに責任を負わせると警告した。
ゴールドマン・サックスは、ホルムズ海峡経由の輸出が回復しなければ年末までにブレント原油が120ドルまで上昇し得ると警告している。アナリストによれば、ブレント原油は4月の紛争ピーク時に126ドルまで上昇した後、今月初めには71ドル前後まで下落していたが、地政学リスクの再燃で急反発した。 背景として、政策運用や現地実務の差分が最終的な収益性に影響しやすいため、一次情報の確認だけでなく、現場ヒアリングを含めた検証が重要です。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
MCX(Multi Commodity Exchange)
インドのムンバイに拠点を置く商品先物取引所で、原油や貴金属などの先物契約が取引されている。
フーシ派(Houthi)
イエメンを拠点とする武装組織で、イランの支援を受けているとされ、紅海でのタンカー攻撃を主張した勢力。
WTI(West Texas Intermediate)
米国産の原油の指標銘柄で、ニューヨーク・マーカンタイル取引所で先物取引されている。
ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)
湾岸産油国からの原油輸出における主要航路で、今年これまでにも輸送障害が発生した海域。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


