
本記事のポイント
- 1SBIの給与口座保有者は10月1日から他行ATMでの無料利用が月10回から5回に減り、超過分は有料になる可能性がある
- 2RBIの新ルールで銀行は10月1日から大口定期預金の金利を事前公表し毎日午前10時に開示する義務を負うことになる
- 310月15日以降、UPIで2,000ルピーを超える加盟店取引にMDRが課され、店舗側のコスト負担が変わる場合がある
ニュースの背景
インドでは銀行のATM無料利用枠や大口定期預金の金利開示、UPI決済の手数料などが規制当局によって随時見直されている。2026年10月には、SBIの給与口座向けATM無料枠の縮小、RBIによる大口定期預金金利の開示ルール変更、UPI加盟店取引へのMDR導入が同時に発効する形となり、銀行利用者と決済加盟店の双方に実務上の変更が生じることになった。
日本企業への影響
インドに駐在員や現地従業員を抱える日本企業にとって、給与振込先をSBIとしている場合、他行ATMでの無料利用回数縮小は従業員の実務負担に影響し得る。またUPIでの少額決済を伴う店舗事業や小売関連の日系企業は、2,000ルピー超の取引にMDRが課される点を踏まえ、決済コストや価格設定の確認が必要になる可能性がある。大口定期預金を運用する現地法人は、金利開示ルールの変更を資金管理の参考にできる。
この記事の概要
2026年10月から、インドの銀行・決済に関わる複数の制度が同時に変わる。まずSBIは、給与口座保有者が他行ATMやADWMで使える無料取引回数を、これまでの月10回から月5回へ引き下げる。対象は金融取引と非金融取引の両方で、10月1日に施行される。
ベーシック貯蓄口座(BSBD)は月4回の無料出金を維持し、超過分には1回あたり15ルピーとGSTが課される。デジタル取引は引き続き無制限で無料となる。同じく10月1日には、インド準備銀行(RBI)が大口定期預金の金利決定・開示方法を変更し、銀行は大口預金金利を事前に公表し、毎日午前10時に適用金利を開示することが求められる。
原則として同種の大口預金には同一金利を適用するが、流動性カバレッジ比率(LCR)の扱いに応じた金利差は認められる。さらに10月15日からは、UPIでの2,000ルピー超の対象加盟店取引に商人手数料率(MDR)が導入される一方、2,000ルピー以下の取引や個人間送金、ゼロMDR対象の小規模事業者取引は引き続き無料となる。 背景として、政策運用や現地実務の差分が最終的な収益性に影響しやすいため、一次情報の確認だけでなく、現場ヒアリングを含めた検証が重要です。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
MDR(Merchant Discount Rate(商人手数料率))
加盟店がUPIなどの電子決済を受け付ける際に負担する手数料の割合で、2026年10月15日から2,000ルピー超の対象取引に適用される。
LCR(Liquidity Coverage Ratio(流動性カバレッジ比率))
銀行の短期的な資金繰り健全性を示す指標で、RBIの新ルールでは大口定期預金の金利差を設ける根拠の一つとして扱われる。
BSBD口座(Basic Savings Bank Deposit Account)
インドの基本貯蓄銀行口座で、月4回までの現金出金が無料となり、それを超えると1回15ルピーとGSTが課される。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


