
本記事のポイント
- 1エネルギー調達部門は満期別ヘッジを実行すること:1年以内の契約は短期ヘッジ比率を高め、2年以上は段階的な価格再交渉を主導すること(調達・財務の共同実行)。
- 2物流・海運担当は保険料改定に備え、ブローカーから提示される保険料引下げ幅の想定レンジ(▲5〜▲25%)でコスト試算を作成し、保険更新の判断を法務・調達と共有すること。
- 3事業継続管理では、輸入遅延や代替ルート切替えのフローを簡易化し、短期対応は輸送部門、政策・規制対応は経営企画が主導して優先度を整理すること。
この記事の概要
2026年6月15日、米国とイランの和解合意を受けてホルムズ海峡の通航が再開されたと伝えられ、原油・LNGを積んだ船舶の移動が再び活発化している。インド籍のLNG運搬船「Disha」が同海域を通過したことが確認され、輸送スケジュールの正常化が進行している。世界的な金融市場はこれを受けてリスクプレミアムが低下し、株式上昇や債券利回りの低下を示した一方、原油価格は一時的に下落した。
今回の合意はホルムズ海峡を経由する海運コストや海上保険料の引き下げ圧力となるが、核問題や地域の政治課題に関する追加協議が残っており恒久的な安定に至る保証はない。短期的には航路回復による燃料と輸送コスト低下が見込まれるが、保険市場は通航再開を反映しても段階的にプレミアムを引き下げる可能性が高く、改定幅は航路や貨物種類によって差が出るとみられる。日本企業はLNG・原油調達契約、船舶手配、保険更新、ヘッジのタイミングを改めて点検する必要がある。
具体的には、期近で満期を迎える調達契約は変動リスクを取りにくい中短期のヘッジに切り替え、長期契約は価格見直し条項を再交渉することが考えられる。また、輸送部門と調達部門は連携し、保険ブローカーと協議のうえ保険料改定案(改定率のレンジ想定)を受けた費用試算を速やかに作成するべきである。
詳しくは参考記事をご確認ください。


