
本記事のポイント
- 12026年7月、インドの原油輸入に占めるロシア産比率が52%に達し、初めて半数を超える水準となった。
- 2湾岸産原油の比率は2022年の55%超から2026年6月に30%未満まで低下し、調達構造が大きく転換した。
- 3米国では対ロシア制裁を含む法案が提案段階にあり、成立すればロシア産エネルギー継続輸入国に最大100%の追加関税が科される可能性がある。
ニュースの背景
インドは長年、湾岸諸国を中心に原油を調達してきたが、2022年以降ロシア産原油の輸入比率が急拡大した。米国では対ロシア制裁強化を含む法案が提案されており、ロシア産エネルギーを購入する国への追加関税が盛り込まれている。米国とイランの緊張が続く情勢の中、2026年に入りロシア産原油の比率がさらに上昇している実態が今回のGTRI分析で示された。
日本企業への影響
原油調達構造の変化や米国の対ロシア制裁法案の動向は、インドのエネルギーコストや物流・化学関連産業のコスト構造に影響し得る。インドに製造拠点を持つ日本企業にとっては、燃料費や原材料コストの変動、対米貿易関係の緊張が間接的なリスク要因となり得るが、現時点で公表されている情報からは、日本企業への直接的な影響は確認できない。
この記事の概要
インドの原油輸入に占めるロシア産の比率が2026年7月に52%へ達し、6月の48.6%から一段と上昇したことが、Global Trade Research Initiative(GTRI)の分析で明らかになった。GTRI創設者のアジャイ・スリバスタバ氏によれば、6月にインドは全世界から148億ドル相当の原油を輸入し、うちロシアからは72億ドルに上った。7月の政府統計ではロシアからの輸入総額が89億ドルとされたが原油分の内訳は開示されておらず、GTRIは6月時点の原油比率82%を当てはめて約73億ドルとの推計を示した。
ロシア産原油への依存はここ数年で急拡大しており、2022年時点で約15%だった比率は2025/26年度(FY26)に30.3%まで上昇、米国とイランの緊張が続く情勢下でさらに勢いを増したとされる。一方、湾岸諸国からの調達比率は2022年の55%超から2026年6月には30%を下回る水準まで低下している。米国では対ロシア制裁を含む法案が提案されている段階で、成立すればロシア産エネルギーの輸入を続ける国に最大100%の追加関税が科される可能性があるが、現時点では法案は未成立であり、インドが購入継続かエネルギー安全保障の見直しかの選択を直ちに迫られる状況にはない。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
GTRI(Global Trade Research Initiative)
インドの貿易政策を分析するシンクタンクで、貿易統計やエネルギー輸入動向に関する独自推計・報告書を公表している。
FY26(2025/26年度)
インドの会計年度で2025年4月から2026年3月までを指し、政府統計や貿易データの区切りとして用いられる。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


