
本記事のポイント
- 1ジオ・プラットフォームズのIPOに海外投資家の資金が流入し、ルピー相場が約6週間ぶりの高値水準まで回復した。
- 2IPOは申込み開始からわずか100分で完売し、発行株数19.75クロール株に対し62.36クロール株の応募が集まる過去最速の記録となった。
- 3中東情勢の緊張による原油高と国内株安が逆風となる中、RBIの市場介入もルピー下支えに寄与した。
ニュースの背景
インドルピーは原油高や中東情勢の緊張、国内株安の影響で下落圧力を受けていた。ルピーが94ルピー台後半まで下落する中、同水準での引けは9月4日以来となっていた。今回、リライアンス・インダストリーズ傘下ジオ・プラットフォームズの大型IPOに海外投資家の資金が流入したことに加え、RBIが石油会社のドル需要抑制や為替変動の管理に向けた措置を講じたことで、ルピー相場が回復した。
日本企業への影響
ルピー相場の変動はインドで事業を展開する日本企業の為替損益やインド拠点からの資金送金コストに影響し得る。現時点で公表されている情報からは、ジオ・プラットフォームズのIPO自体が日本企業に直接影響するとの記述はないが、インド進出済みの日系企業は今後のルピー相場や大型IPOによる資金フローの動向を注視する必要がある。
この記事の概要
インドルピーが水曜、対米ドルで前日比53パイサ高の94.38で取引を終え、約6週間ぶりの高値水準を回復した。インターバンク外国為替市場では94.78で寄り付いた後、日中は94.35から94.82ルピーの間で推移し、終値94.38ルピーまで戻した。ルピーが同水準で引けるのは9月4日の94.43以来となる。
月曜は前日比2パイサ安の94.91で引け、火曜はダシェラの祝日で外為市場は休場だった。背景にあるのはリライアンス・インダストリーズ傘下ジオ・プラットフォームズの新規株式公開(IPO)に伴う海外資金の流入と、インド準備銀行(RBI)による介入だ。発行額3,021億3,000万ルピーに上る同IPOは水曜に申込みを開始し、わずか100分で全株が申し込まれ、インドの大型IPOとして最速記録を樹立した。
午後5時時点で発行株数19.75クロール株に対し62.36クロール株の応募があり、入札総額は約6,980億ルピーに達した。全体の応募倍率は3.16倍で、機関投資家向け枠は9.42倍、非機関投資家向け枠は1.68倍、個人投資家向け枠は0.73倍、従業員枠は1.37倍、既存株主枠は1.46倍の応募を集めた。中東情勢の緊張再燃による原油高と国内株安という逆風の中でも、ルピーは下支えされた形だ。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
RBI(Reserve Bank of India(インド準備銀行))
インドの中央銀行。金融政策の運営や為替市場への介入を通じて、ルピー相場の安定を図る役割を担う。
パイサ
インドの通貨単位で、1ルピーの100分の1に相当する補助単位。為替レートの変動幅を示す際に用いられる。
クロール
インドの数の単位で1クロールは1,000万を指す。IPOの応募株数や入札額を示す際に用いられる桁区切り表現。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


