
本記事のポイント
- 1ATF価格がデリーで110ルピーに低下し、インド路線の燃料コスト改善が期待される
- 2業務用LPGが183.50ルピー値下げされ、飲食・ホテル業の操業コストに直結する
- 3国営インディアン・オイル等は据え置きで、国有精製会社の損失回収が価格正常化の前提
この記事の概要
中東情勢の緩和に伴う国際原油価格の下落を受け、インドでは2026年7月1日から航空タービン燃料(ATF)と業務用LPGの価格が引き下げられた。また民間燃料小売大手のナヤラ・エナジーがガソリン・軽油の値下げを実施し、2年以上ぶりに民間事業者が小売価格を引き下げる動きとなった。 ATF価格は1リットルあたり約5ルピー引き下げられ、デリーでの価格は約110ルピーとなった。
国営石油会社はさらに業務用19kgLPGを1本あたり183.50ルピー値下げし、価格は2,930ルピーへ低下した。先月には地政学的緊張を背景に3,113ルピーという記録的水準に達していた。5kgの自由取引LPG(FTL)も13ルピー引き下げられ808.50ルピーとなった。
一方、家庭用14.2kgLPGは942ルピーで据え置かれた。 ナヤラ・エナジーはガソリンを1リットルあたり5ルピー、軽油を3ルピー引き下げた。同社は国内約7,000カ所の給油所を運営しており、この値下げは3月26日に実施した値上げ分を事実上撤回するものだ。
国内の給油所全体の9割超を国営石油会社が占める中、ナヤラ・エナジーは今回も民間として先陣を切った格好だ。 一方、国営のインディアン・オイルやバーラト・ペトロリアムは現時点でガソリン・軽油の小売価格を変更しておらず、消費者向けの値下げは見送られた状態にある。国有精製会社が以前の損失を回収し終えるまで価格正常化は難しいとみられる。
政府は先月、ATF価格安定化スキームを導入しており、参加航空会社は最長3年間にわたり1リットル115ルピーの固定価格でジェット燃料を調達できる。ただし現在のATF市場価格110ルピーはこの固定水準を下回るため、スキームを選択した航空会社にとっては市場価格の方が割安となる状況だ。基準価格の86.32ルピーを上回った場合は政府が石油会社へ無利子の先払いで差額を補填し、下回る場合は超過分をインド統合基金に戻す仕組みとなっている。
詳しくは参考記事をご確認ください。


