
本記事のポイント
- 1広島県とタミル・ナドゥ州の覚書を土台に、アンナ大学で日本語人材を育て県内企業への就職へつなげる仕組みが動き出した。
- 22027年3月の開講後は年間100人、3年間で最大300人のインド人学生が日本語教育とインターンシップを受けられる見込みだ。
- 3広島県内企業9社が参加したジョブフェアでは、求める日本語レベルに合う人材の少なさや対面面談の重要性が実務面で確認された。
ニュースの背景
広島県はタミル・ナドゥ州政府と2023年11月に覚書を再締結し、高度外国人材の獲得やグローバル展開の強化を目指してきた。その具体策として州立アンナ大学内に、日本語・日本文化教育から就職支援までを一体で行う「ひろしまアカデミー(仮称)」を設置することになり、2026年10月9日に構想発表式典が開催された。開講は2027年3月を予定している。
日本企業への影響
広島県内企業にとっては、インド人材の採用経路が新たに整備される意味を持つ。ジョブフェアに参加した9社からは、求人票をもとにした事前の絞り込みが次の選考段階に役立ったという声があった一方、自社が求める日本語水準を満たす学生が少なく、インドでの採用の難しさを実感したとの報告もあった。現地で学生と直接会い、資格等級だけでなく実際の会話力を見極める必要性も浮き彫りになっており、インド進出や人材確保を検討する日本企業にとって参考になる動きだ。
この記事の概要
広島県は10月9日、インド南部タミル・ナドゥ州の州立アンナ大学で、インド人大学生を対象に日本語・日本文化教育から就職支援までを一貫して担う「ひろしまアカデミー(仮称)」構想の発表式典を開いた。広島県が同州政府と2023年11月に再締結した覚書に基づく取り組みで、イノベーション創出やグローバル展開に欠かせない高度外国人材の確保を狙いとする。式典には広島県の吉松亨副知事、県議会の中本隆志議長、高橋宗生・在チェンナイ日本総領事らが出席し、学生500人以上が集まった。
構想では、入学後の早い段階から日本語と日本文化を学ばせ、最終学年にあたる4年次には広島県内企業でのインターンシップや専門的な教育課程を用意することで、卒業後の就職へとつなげる流れを描く。開講は2027年3月にアンナ大学キャンパス内で予定され、3年間で受け入れる学生は最大300人、年間では100人程度を見込む。同じく9日と10日には広島県内企業9社が参加するジョブフェアも実施され、約600人の応募者の中から選抜された約60人が個別面談に、約250人が集団面談に臨んだ。
背景として、政策運用や現地実務の差分が最終的な収益性に影響しやすいため、一次情報の確認だけでなく、現場ヒアリングを含めた検証が重要です。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
MOU(覚書(Memorandum of Understanding))
広島県とタミル・ナドゥ州政府が2023年11月に再締結した協力文書で、イノベーション創出や高度外国人材獲得などを目的とする。
アンナ大学(Anna University)
インド南部タミル・ナドゥ州の州立大学で、「ひろしまアカデミー(仮称)」の開講拠点となる予定の教育機関。
ひろしまアカデミー(仮称)
広島県がアンナ大学内に設置を計画する、日本語・日本文化教育から就職支援までを一体で行うプログラムの名称。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


