
本記事のポイント
- 1西回廊の最終区間326キロが開通し、総延長2843キロの貨物専用鉄道網が全国で稼働を始めた。
- 2貨物列車の平均速度が一般路線の約2倍となる時速50キロ超に上がり、1日400本超が両回廊を走行する。
- 3貨物が専用線に移ることで既存の幹線に余力が生まれ、旅客・貨物双方の増便が可能になる見通しだ。
ニュースの背景
インドの主要幹線であるハウラー・デリー間やムンバイ・デリー間は、容量の115〜150%という過密状態で運行され、貨物列車が旅客列車と線路を奪い合う状態が続いていた。この慢性的な混雑を解消するため、貨物輸送を旅客網から分離する専用貨物鉄道回廊(DFC)構想が進められ、東西2回廊の建設が長年にわたり行われてきた。今回、西回廊の残る区間が開通したことで計画は完了した。
日本企業への影響
西回廊は北インドとムンバイ近郊のJNPT港などの主要港湾をコンテナ貨物で結び、東回廊は東部の鉱物資源輸送を担う。二段積みコンテナ列車の直通運行により長距離輸送の効率が向上するため、インドに製造・物流拠点を持つ日本企業にとって、内陸部と港湾間の輸送時間短縮やコスト低減につながる可能性がある。既存路線の混雑緩和による旅客・貨物双方の増便余地も、サプライチェーン計画の見直しに関係し得る。
この記事の概要
インドの専用貨物鉄道回廊(DFC)が全線開通した。西回廊の最終区間326キロが今週開通し、デリー近郊のダドリとムンバイ近郊のJNPT港を結ぶ全長1506キロの西回廊と、パンジャブ州ニューサーンワルとビハール州ニューソンナガルを結ぶ全長1337キロの東回廊が合わせて完成、総延長は2843キロに達した。開通式典にはナレンドラ・モディ首相が出席し、最終3区間の開発には2070億ルピー超が投じられた。
従来、ハウラー・デリー間やムンバイ・デリー間の主要幹線は容量の115〜150%という過密状態で稼働し、貨物列車は旅客列車と線路を奪い合っていた。DFCは貨物輸送を旅客網から切り離す目的で整備され、既に効果は数値に表れている。DFC上の貨物列車の平均速度は時速50キロを超え、一般路線の約2倍に達した。
両回廊では1日400本超の貨物列車が運行されている。西回廊は北インドと西部の主要港湾をコンテナ貨物で結び、東回廊は鉱物資源が豊富な東部からの大量貨物輸送を担う。二段積みコンテナ列車を港湾まで直通運行できるようになったことで、1編成あたりの輸送量が増え、長距離鉄道貨物の効率が向上した。
貨物列車が専用線に移ることで既存路線には余力が生まれ、旅客・貨物双方の増便余地が広がっている。
詳しくは参考記事をご確認ください。
キーワード解説
DFC(Dedicated Freight Corridor(専用貨物鉄道回廊))
貨物列車を旅客列車の運行から分離し、専用の線路で高速かつ大量の貨物輸送を可能にするために整備された鉄道網。
JNPT(Jawaharlal Nehru Port Trust)
ムンバイ近郊に位置するインド有数のコンテナ港湾で、西回廊の終点として北インドの貨物輸送と接続している。
※用語解説は記事の理解を補助するための一般的な説明であり、法務・税務・投資その他の専門的助言を目的とするものではありません。


